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おでこ靴

靴の命である木型には、変わった名前が付いています。

「パズー」「ルパン」「ペーター」

全てアニメのキャラクターです。

 

彼らの足元には、つま先がぽっこりとした『おでこ靴』が、

とぼけた表情を見せています。逃げ回る、追いかける、脱ぎ捨てる…。

 

彼らの仕草を見ていると、履きこんだ靴がよく足に馴染んでいることがわかります。

荒く履きながらも修理しながら履きこんだ、手仕事の後が残る靴。

いつかあんな『おでこ靴』を“履きたい”は“作りたい”へ変わり、

2014年に鹿児島県で「ヒラキヒミ。」をオープンしました。

 

ヒラキヒミ。では、他では手に入らないデザインを追い求めつつも、

堅牢な作りの靴をお客様へご提供したいと考えております。

ヒラキヒミ。のおでこ靴が
できるまでをご覧ください。

material

革の選別

イタリア産の上質なベジタブルタンニン鞣しの革を使用しています。
革の伸び方向を確認し、型紙をトレースしていきます。
これを誤るとおでこ靴は作れません。それゆえに、最も慎重に革と向き合う時間だと言えます。

革の裁断

バケッタ製法で作られた革の特徴に、断面の美しさが挙げられます。
裁断された革の断面は、艶があり、滑らかです。

SEWING

縫製

縫製の良し悪しが、靴の仕上がりに大きく影響します。 工房で流れるミシンの小気味よい音が、
その靴の仕上がりの良さを教えてくれます。
ミシンの音が止まり、静まり返るとミシンの不調のサイン。 すぐに機嫌を直してくれることを祈ります。
ドレスシューズより少し大きめのピッチは、無骨な印象を与えてくれます。

POP TOE

芯材

様々な素材がありますが、革の芯材はよく馴染み、強度があります。
ヒラキヒミ。の象徴であるおでこが型崩れしないよう、2.5mm前後の芯材を使用しています。
この芯材の厚みこそおでこ靴に最も重要な要素です。

LASTING

つり込み

木型の事をLASTと言い、革を木型に沿わすことをラスティングとも言います。
ヒラキヒミ。では、CERIM社K78トーラスターでのラスティングとハンドラスティングを使い分けています。
トーラスターでは、油圧の力を活かしたかっちりとしたラスティングを、
ハンドラスティングでは、機械ではできない細やかなラスティングを行っています。
革と木型の間に隙間ができると左右非対称の靴になるため、しっかりと木型に沿わせます。
土踏まずの部分は念入りにつり込みます。
土踏まずをしっかりホールドしてある靴は包み込まれる履き心地を得られるからです。
爪先部分はさらに慎重につり込みます。裏革、芯材、表の革が一体となるように、
ポンポンと言うハンマーで叩き整えていきます。
革がおでこ木型の形状を記憶するために最低でも一週間は型入れします。

PROCESS

製法

ここからが靴の製法の分かれ目です。
ヒラキヒミ。では、主にグッドイヤー製法、ステッチダウン製法を採用しています。
グッドイヤー製法の元型であるハンドソーンウェルテッド製法や雨に強く
クロスステッチが特徴のノルウィージャンウェルテッド製法、
靴底の返りが良いマッケイ製法も可能です。

すくい縫い

ウェルトと呼ばれる細い革を靴に縫い付けていく作業です。
様々な製法の中でも、ハンドメイドのすくい縫いは、
靴作りの中でも花形と言えるのではないでしょうか。
糸が切れるか切れないかギリギリの力で縫い付けていきます。
修理を前提として先人が築き上げたこの製法は、製作や修理の際に我々職人を驚かせてくれます。
この工程もマシンメイドと使い分けています。
グッドイヤー製法というのは、元々ハンドソーンウェルテッド製法を機械化した製法です。
ハンドメイドの方が手間がかかり、良さそうなイメージがありますが、
機械でしっかり縫い付けられたウェルトを見ると甲乙つけ難く、
そもそも比べるものでもない全く別の製法だと言えます。
ヒラキヒミ。にあるステッチャーでは唯一の国産です。
残念ながら、このマシンを作れる工場はすでになく、
修理しながらの付き合いが続くことでしょう。

OUT SOLE

本底

靴の背骨であるシャンクと隙間を埋めるためのコルクを入れた後、
厚さ5mmの本底を貼っていきます。
少しでも靴の返りが良くなるように、
のりを塗る位置を最小限に抑える等の工夫をしています。

だし縫い

縫い付けたウェルトと本底を貼り付けた後に、
剥がれないように更に縫い付けていきます。

FINISH

仕上げ

ヒールの高さは、木型によって決まっています。それ以上でもそれ以下でもない。
木型にあった高さのみです。それ以外の高さで製作すると歪み等がおこり、
靴にとってあまり良いとは言えません。
ソールを削り整えた後、染色し、熱したコテで蝋を入れ、磨き上げます。
この作業によって、防水効果が生まれ、何より高級感あふれる艶やかな仕上がりとなります。
最後にオイルを加え、表情を整えるために磨き、お届けします。
ハンドメイドとマシンメイド。どちらも作っているからこそ感じられることは、
マシンメイド=量産という訳ではないということです。
どちらも職人が一人前になるのに、
果てしない時間が必要で、一人前になるまで続くかわからない厳しい製靴業界です。
それでもここまで来られたのは、
メイドインジャパンの靴を愛し、
おでこ靴を応援して下さる皆様のおかげでございます。
これからも日々精進し,製靴業界を盛り上げて参りますので、
引き続き応援よろしくお願い申し上げます。
※ご注文お待ちしております。お客様には順次配送いたします。
※メンテナンス、修理に関しましてはオフィシャルよりお問い合わせください。
※そのほかに関するお問い合わせはこちらからご連絡をお願い申し上げます。

〒899-5103
鹿児島県霧島市隼人町小浜766
Tel. 050-3631-4192
Online Shop.
Mail. info@hirakihimi-odeco.com

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